企業のファン作りに最適!株主総会を活性化させる貸し会議室利用法

投稿日:2019年7月9日(更新日:2021年11月3日)
役員人事、決算報告、剰余金の配当など株主総会で行うことは多岐にわたります。しかし株主に自社のことにより深く興味を持ってもらい、好きになってもらうためには、株主総会を単なる報告の場にせず、株主に積極的に参加する意識を持ってもらう必要があります。そこでおすすめしたいのが、貸し会議室を使った株主総会です。
一見、ファン作りとは関係ないように思われるかもしれません。しかし、実は貸し会議室で株主総会を行うことのメリットは大きく、自社のファン作りにも大いに役立ちます。今回は株主総会で自社のファンを作るコツと貸し会議室の効果的な利用法についてご紹介します。

株主に利益のためだけではなく応援したいと思われるようになるには?

日々、テレビや新聞のニュースを賑わしている企業の不祥事。その原因としてよく取りざたされるのが、利益を追求するばかりに、自社にとって不都合な情報を隠すことで、より大きな問題に発展し表ざたになってしまう隠ぺい体質です。もう何度も同じようなニュースを見ているにもかかわらず、こうした不祥事は後を絶ちません。
インターネットの普及により、以前であれば分からなかった企業の内面が、社員や関係者などによって表に出ることも珍しくなくなっています。さらに一社員の言ったことに過ぎないと高をくくっていると、あっという間に情報が拡散し、場合によっては株価に影響が及ぶこともあり得ます。
利益のみを重視し、不都合な情報を隠すという体質は、顧客や消費者の信頼を失い、結果として株主離れを引き起こすことにもつながっていきます。もちろん何か問題が起こしてしまい、株価に影響が出れば株主が離れていくことは当然の結果です。
しかし、隠ぺい体質など企業の悪い部分を改善することは大前提として、さらに、いざという時に応援したいと思ってもらえる企業と株主との関係を作ることができなければ、企業の今以上の成長は見込めません。そのためには投資の対象だけとして見てもらうのではなく、自社を応援したいと思って貰えるためにできることをやっていかなくてはならないのです。

求められる積極的な情報公開


ネットの普及が情報の隠ぺいを難しくし、さらに拡散のスピードを速めたということは、逆に言えば以前よりも自社の情報の公開がしやすくなったということでもあります。特にFacebookやTwitterといったSNSを有効活用すれば、基本的には無料で自社の情報を顧客や消費者に向けて発信していけます。
SNSを使い、何かあったときだけではなく、日々情報を発信しコミュニケーションをとっていくことは、自社のファンを作るために非常に有効な手段のひとつです。硬い内容ばかりではなく、例えばスポーツ、芸能といった話題や、地域のイベント、地元ならではの情報などを通じてのコミュニケーションは、企業をより身近な存在に思ってもらえる効果があります。
もちろんSNSのフォロワーから株主になってもらうためのハードルは決して低くありません。しかし、まずは存在を知ってもらい、興味を持ってもらうにはSNSはうってつけのツールです。積極的な情報公開の第一歩としてSNSは大きな役割を果たします。

自社のファン作りのためのポイントは個人株主を増やすこと

BtoB、BtoCなど企業の業態や業種にもよりますが、利益だけを追求するだけではない、自社のファンとなる株主を増やすためのポイントのひとつとして、個人株主の数を増やすことが挙げられます。ここでは実際に個人株主作りを積極的に推進している企業の例をご紹介します。

総株主の99.6%が個人株主のカゴメ

トマトジュースや野菜ジュースで有名な飲食料品、、調味料などの大手総合メーカーであるカゴメは、2000年に個人株主を10万人にまで増やすという構想を発表しました。そしてその当時、約6,500人しかいなかった個人株主は、2015年末の時点で211,056人になり、実に15年間で約32倍にも増やすことに成功しています。しかもこの数字は総株主の99.6%。つまり、カゴメの株主はほぼ個人株主によって占められているのです。

カゴメは個人株主を増やすため、さまざまな施策を行っていますが、そのなかでも代表的なものとして以下のようなことが挙げられます。

1. 決算発表の早期化
2. 株主総会の単独早期開催
3. 株主総会後のカゴメ商品を使ったメニュー紹介・試食会の開催
4. 単位株数の変更
5. 株主優待制度の導入
6. 株の持ち合い解消による株式の売り出し

1と2に関しては、決算発表を早め、株主総会を早期に開催することで、各社の株主総会が集中する日を避け、少しでも多くの株主に自社の情報を開示することが目的となっています。そしてその株主総会の後には、商品をより好きになってもらう意味も込め、自社商品を使った料理メニューの紹介、試食会を行うようにしました。

さらに自社の主要顧客である主婦層でも株を買いやすくするため、売買単位を1000株から100株としました。これにより2000年当時の株価で1単元が10万円程度で買えるようにしたことも個人株主が増えた大きな要因となっています。

これらの施策を行ったことで、カゴメはわずか5年で当初の目標であった個人株主10万人を達成。その後も順調に自社のファンである個人株主の数は増え続けています。そもそもカゴメの企業理念は「開かれた企業づくり」であり、この理念を忠実に体現したことが、多くのファンを作り、それが株主となって企業と共に成長していく結果を生んでいるといえます。

アサヒビールが持つ企業理念に賛同する個人株主


次にご紹介する事例は、大手飲料メーカーのアサヒビールが行った取り組みです。
アサヒビールが個人株主を増やすためのプロジェクトを立ち上げたのは、2002年末。まず行ったのはカゴメと同様に株の持ち合い解消による株式の売り出し。

株式投資の最低単位を1000株から100株にする単元株の引き下げ。そして株主優待制度の新設です。
この株主優待制度では、ビール会社らしく、株主限定特製ビールなど複数の商品について株主が自由に好きなものを選べるシステムを採用しています。
また、株主優待品として用意した商品と同じ額をアサヒビール環境基金「水の惑星」への寄付に代えられる選択肢にも多数の申込みがあり、これは単に利益を求めるのではなく、その企業のファンとして、企業理念に賛同しているからこそ、株主になっているということが伺えます。

さらに、株主総会も本社ではなく多くの株主が参加しやすい都心のホテルにしたこと。
株主総会後に「商品展示試飲会」を当時、大手ビール会社では初めて実施したことも個人株主に対する配慮が感じられます。
カゴメ、アサヒビールどちらも誰もが知っている大企業です。そのためすでに多くのファンが存在しているというアドバンテージはあります。
しかし、自社の情報を積極的に開示し、一人でも多くの方の自社のファンになってもらいたい、そしてその延長線上に個人株主があるといった考え方はどのような業種であっても見習う部分は多いのではないでしょうか?

株主総会に貸し会議室が効果的である理由

アサヒビールが個人株主を増やすために行った取り組みの中でもご紹介しましたが、株主総会に少しでも多くの方に参加してもらうため、会場は本社にこだわらず、都心で誰もが参加しやすい場所で開催するということは、地味ながらも非常に重要なポイントです。そして、アサヒビールの場合は会場が都心のホテルでしたが、同じようにロケーションが都心であったとしても、ホテルほど予算をかけずに株主総会を行うことができるのが貸し会議室です。さらに貸し会議室をおすすめする理由はほかにもあります。

メリットその1:企業向けイベントに対応するオフィス設備の充実

貸し会議室の設備や用意できる備品は、一般的なオフィスに必要なものはもちろん、自社では保有しにくい大型の機材や設備などもオプションで利用できます。例えば大型プロジェクターや映像・音響機器、テレビ電話会議システム、同時通訳設備など、必要な期間だけレンタルできるため、費用対効果の面でも大きなメリットがあります。

メリットその2:レイアウトは自由自在。大規模イベントも可能

貸し会議室には、さまざまな広さや多彩な用途を持つ部屋がそろっています。講堂スタイルの大きなホールから、自由なレイアウトが可能な分割型の会議室まで、使用目的に合わせて最適な部屋を選択できます。例えば、株主総会の事務局として、準備期間にもオフィスとして利用してみてはいかがでしょうか?本社とのテレビ電話会議が可能な設備もあり、サテライトオフィスとして十分活用できます。

メリットその3:スタッフをアウトソーシングできる

会場設営、管理、運営などに必要なスタッフをアウトソーシングできるところも、貸し会議室の大きなメリットです。例えば、数年前に連日マスコミでその様子をにぎわせていた各省庁による事業仕分け。その仕分け場所となっていたのが、貸し会議室でした。多くのスタッフが事業仕分けの現場で働いていましたが、そのほとんどが、貸し会議室を通してアウトソーシングされた人材だったようです。株式総会に向けて、一時的なスタッフの確保も、貸し会議室なら無理なく行えます。

株主総会の開催には、本会場以外にも、役員、株主、弁護士などの控室が必要ですが、会場を自由に設定できるため、動きやすい環境を設置できます。本会場にカンファレンスホール、控室にレンタルルームや会議室、という具合に、規模を調整できるのもうれしいところです。
また、大型スクリーン、プレゼンテーション機器、マイク、ライトなど、議事進行に必要な備品もそろっており、自社から持ち運ぶ手間が省けることも大きなメリットです。もちろん外国人投資家や外国人役員のための同時通訳にも対応が可能です。

さらに、スタッフのアウトソーシングで、メディア対応窓口業務をはじめとする、円滑な総会運営への人員配置ができます。そして貸し会議室は、希望に応じて立地を選ぶことができるのも大きなメリットです。主要幹線道路や、ターミナル駅近くに立地した場所を選ぶことで、来場する株主へ交通の利便性まで配慮することができます。

株主総会後には自社の商品に触れてもらうためのイベントを

貸会会議室を有効に活用し、より多くの株主に参加してもらうことが可能になれば、次にするべき施策は自社の商品をより身近に感じてもらうためのイベントです。その効果は、カゴメが株主総会後に自社商品を使ったメニューの紹介や試食会を行っていること、そしてアサヒビールも同様に株主総会後に商品展示試飲会を行っていることからも明らかです。
もちろんこれは食料、飲料メーカーだからこそできることでもありますが、そうではなくとも、小売りを主としている企業であれば自社で展開している主力商品や新製品、フランチャイズ系の飲食店などを経営する企業なら自社店舗の割引クーポン券、スポーツ施設、娯楽施設などを経営する企業なら、無料の利用券や招待券など業種によっていろいろとお土産を用意することは可能です。

BtoB企業であってもさまざまな工夫で自社に愛着を持ってもらう

またBtoB企業など普段はエンドユーザーである消費者とはそれほど接点がない企業であっても、例えば地方に本社や工場を有している場合や、ルーツが地方にある場合は、その土地ならではの産品を株主総会のお土産にするのもひとつの手ではあります。都心部ではなかなか入手できない地元の名産品、その地方に昔から伝わる伝統工芸品などは、その企業に対して愛着を持ってもらうことができます。

目的を持ったお土産選びで株主の心をつかむ

株主総会のお土産は、とくに個人投資家にとっては楽しみなものです。知恵を絞って意味のある品を選び、企業のファンを増やしましょう。
もらってうれしいだけでなく、自社製品やサービスの理解度を深め親近感を持ってもらうのもお土産の役目。目的を持ったお土産を用意することが株主の心をつかむポイントです。

株主総会は重要なファン作りの場である

株主総会は自社の顧客と直接対面できる場です。特にBtoB企業にとっては、自社とエンドユーザーを結ぶ唯一の場所といっても間違いはありません。そういった意味で株主総会を単なる決算報告の場としてしまうのは、企業にとって大きな損失でもあります。
株主総会は自社のファンを作る重要な場所であることを認識し、当日は最高の体験をしてもらうよう心掛けることが、個人株主を作るポイントにもなります。そして、これを目指すにあたって、貸し会議室は企業と株主のどちらにとっても最適な場所であるといえます。

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