入社式では何する?開催する目的と一般的な流れを紹介!

入社式は、新入社員のモチベーションを高め、会社に対しての帰属意識を高める絶好の機会です。仕事に対するモチベーションが下がると、早期転職のリスクが高まります。会社の一員であることを強く実感し「この会社を選んでよかった」と感じられるような入社式を企画しましょう。

この記事では、入社式の目的と式の流れについてくわしく紹介しています。新入社員の心をつかみ、未来への期待感を高めるような式典を目指しましょう。

入社式では何する?

新入社員が社会人としての第一歩を踏み出す大切な式典が入社式です。以下で、入社式を開催する意味と内容、式を成功に導くためのポイントについて解説します。

入社式の目的

事前に入社式の目的を決めておきましょう。企業への愛社心を育む、仕事へのモチベーションを高める、仲間意識を与えたいなど、目的に合った式を開催することが大切です。

開催目的を決めていないと、式の内容がブレてしまうため、新人社員にとって意義のある式になりません。内容が一貫性のないものになることで、メッセージがぼやけ、伝えたいことが十分に伝わらない可能性があります。

また、目的が明確になることで、どのようなプログラムを組み、どのようなスピーチを用意するべきかといった演出や企画の具体的な方向性も決まります。準備や運営がスムーズに進行するため、企画する側にとってもメリットが大きいでしょう。

以下で、有意義な式にするための入社式の目的について紹介します。

組織の一員としての意識を持ってもらう

入社式を開催する目的のひとつは、新入社員に組織の一員としての自覚をうながすことです。組織の一員としての自覚がなければ、仕事への責任感が生まれず、モチベーションも低下します。

結果として、ミスの増加や生産性が低くなるおそれがあります。他社から引き抜きの際に好条件が提示されれば、離職してしまうリスクも考えられるでしょう。

反対に、組織の一員としての自覚を持てれば、会社への愛着が深まり、モチベーションが向上する可能性があります。受け身ではなく積極的に考えて行動する姿勢が生まれ、会社やその提供する商品・サービスにも愛着が出てきます。

企業の文化と価値を紹介

入社式では、会社の文化と価値観を紹介する場を設けることが重要です。各企業には独自の信念や行動規範があり、それらを共有することで、仕事に対する心構えや考え方を理解してもらいやすくなります。

紹介する際は、できるだけわかりやすい言葉で説明するよう心がけましょう。専門用語や難しい言葉は避け、シンプルで理解しやすい内容にすることが、結果として新入社員の心に響きます。

また、印象的な会社の逸話を交えることで、興味を惹きつけられます。たとえば、大変だったプロジェクトの話や商品製作のエピソード、業績悪化を乗り越えた成功談などを盛り込むとよいでしょう。

社員同士の交流を促す

入社式当日には、社員同士の交流をうながすプログラムを設けることで、会社全体の結束力を高められます。新入社員は学生から社会人になったことで環境が大きく変わっており、新しい人間関係を築くことに不安を感じています。

不安感を和らげ職場に早く馴染めるよう、新入社員を歓迎するプログラムを考えましょう。社員同士が交流できる場や、同期と一緒に参加できるイベントが効果的です。

交流の機会を設けることで、新入社員は新しい環境や職場文化に早い段階で慣れてくれます。既存社員も新人社員の性格や強みを理解しやすくなり、交流を深めることでチームワークが強化されるでしょう。

オリエンテーション

多くの企業では、入社式の後にオリエンテーションを行います。オリエンテーションは、新入社員に書類の書き方や提出方法、組織体制、福利厚生などを詳細に説明する場です。

福利厚生は、健康保険や退職金制度、福利厚生サービスの利用方法などを簡潔に説明します。また就業規則やコンプライアンスについても、触れておかなければなりません。

必ず厳守してもらう必要がありますが、詳細に説明する時間が取れないことがあります。時間が限られているため、要点を絞り、重要な部分に焦点を当てて説明しましょう。

さらに時間があれば、社内で使用する主要なツールの概要と操作方法についても紹介します。新入社員が業務に必要なスキルを早いうちに身につけられるように、サポートしましょう。

最後に、サポート窓口の案内を行い、分からないことや困ったことがあった際の連絡先やサポート体制を伝えます。このようにオリエンテーションは、新入社員が安心して業務に取り組めるために実施されます。

入社式の時期

入社式は一般的には4月1日に行われます。1日が土日祝日で会社が休みの場合は、2日または3日に行われます。

4月1日に入社式が行われる理由は、日本の学校制度に合わせているからです。多くの高校や大学が3月に卒業式を行うため、学校の卒業と関連付けられています。

一方、一部の企業では入社式を10月に開催することもあります。秋に大学に入学し秋に卒業した学生や、留学先から帰国した方に配慮するためです。

内定式との違い

入社式に似た式典として内定式がありますが、2つはまったく異なる式典です。内定式と入社式では、開催する時期や目的が異なります。

内定式は、会社が内定を出した方を祝う式典であり、正式に入社する前の学生の時期に行われます。内定式は10月1日以降に行われるのが一般的です。

一方、入社式は、新入社員が実際に会社で働き始める最初の日を祝う式典です。内定式とは異なり、正式な雇用契約を結んだ後に行われます。

内定式は、企業の経営者や役員が出席し、内定者との顔合わせや関係構築をはかるために設けられます。この段階ではまだ雇用契約を結んでおらず、辞退も可能な時期です。内定者に企業の魅力を紹介し、内定を承諾してもらうための機会としてセッティングされることが多いです。

一方、入社式は社員全員が出席し、新入社員を歓迎することを目的に開催されます。新入社員が入社式に参加することで、会社の一員になったことの自覚を持て、仕事に対する責任感や向上心が生まれるようになります。

入社式の一般的な流れ

入社式は開会の挨拶から始まり、代表者や新入社員のスピーチを経て、午前中に閉会となります。オリエンテーションや懇談会を行うのは、午後からです。以下で入社式の一般的な流れを紹介します。

開会の挨拶

入社式は、司会者が「ただいまより、2024年度〇〇会社の入社式を執り行います」と宣言して始まります。つぎに「代表取締役社長〇〇より、ご挨拶を頂戴いたします。〇〇社長、よろしくお願いいたします」という言葉をかけて開会の挨拶につなげます。

代表者の挨拶

入社式の挨拶は、通常、会社の経営陣が選ばれることが一般的です。新入社員に対して影響力のある人物が挨拶を行うことで、メッセージに込められた想いをより強く伝えられるからです。

とくに多いのは、会社のトップである代表取締役が挨拶を行うケースです。最高経営責任者からの直接の言葉は、新入社員の心に大きなインパクトを与えます。期待や激励の言葉をかけることで、仕事に対するモチベーションが高められるでしょう。

また代表者の挨拶は、会社のPR活動としても効果的です。挨拶の様子は、新聞やテレビ、ネット記事などのメディアに取り上げられるケースがあるからです。会社のブランドイメージを強化し、その魅力を広く伝えるチャンスといえます。

歓迎と祝辞

新社会人としての第一歩を踏み出す新入社員に向けて、歓迎と祝辞の言葉を届けましょう。専門用語は控え、できるだけ簡単な言葉遣いを心がけてください。

挨拶は以下の構成で行うとよいでしょう。

1.自己紹介
2.お祝いの言葉
3.主題

自己紹介は「社長の〇〇です」や「ただいまご紹介にあずかりました〇〇です」といった表現が適しています。つづいて「皆さん、入社おめでとうございます」と歓迎の言葉を添えましょう。

主題には、働くうえでの心構えや会社の理念、経営方針、業界の動向と会社の現状、課題などを取り入れます。たとえば、会社が大切にしている価値観やチームワークの重要性、組織の一員としての心構えなどを伝えるとよいでしょう。

企業のビジョンを共有

入社式では企業のビジョンを共有できるような挨拶を心がけましょう。ビジョンを共有することで、全社員がひとつの方向性や目標を持てるようになります。

さらに、経営トップがビジョンや経営理念、事業内容について熱く語ることで、その情熱が新入社員にも伝わります。自信とやる気をもって業務に取り組めるようになれます。

新入社員への期待と励まし

期待と励ましのメッセージは、新入社員に安心感を与え、モチベーションを高めます。新入社員は新しい環境に飛び込むことに対して、不安と期待の両方を感じています。新しい職場に適応できるか、仕事で失敗しないかなど多くの不安を抱えているのです。

一方で、新しい出会いや仕事に対する期待も持っています。新しい環境で、自分自身がどのように成長し、成果を上げられるのか、期待で胸が膨らんでいます。

スピーチは、仕事に対して前向きな気持ちを持てる言葉にしましょう。「あなたたちの成長に期待している」「一緒に頑張っていこう」というメッセージを伝えることで、不安を軽減し、自信を持って新しい環境に適応できるようになります。

入社辞令の交付

入社辞令は、新人社員に正式に入社を通知する文書です。社長が登壇し、一人ひとりに辞令書を手渡しするのが一般的です。

名前と所属先

入社辞令には、入社日、名前、所属先などの情報が記載されます。公式文書のため、特別感が多く、手にすることで「会社の一員になった」ことをより実感できるようになります。

契約条件や規則

入社辞令を受け取ることで、組織の一員としての自覚をうながすことができます。雇用契約書や就業規則とあわせて確認することで、自分がどのような条件で働くのかを具体的に理解できるようになります。契約内容に対する納得感を深められるでしょう。

信頼と責任感

入社辞令は、新入社員に対する会社の信頼の証しであり、同時に責任感をもたらすものです。信頼に応えるために、新入社員は自分に与えられた役割を果たし、会社に貢献しようという強い意志を持つようになります。

新入社員の挨拶

社長や経営陣などに向けて、新人社員が感謝の気持ちや決意を語ります。人数が多い場合は代表者が挨拶を行い、少ない場合はひとりずつ今後の抱負や意気込みを語ります。

自己紹介

自己紹介では、氏名、出身地や出身大学などの学歴や経歴を語ります。小規模な入社式の場合は、趣味や特技など、人柄や個性を伝える紹介を一人ひとり行う場合もあります。

感謝や決意の表明

自分を迎え入れてくれた社長や経営陣、これから指導してくれる先輩社員への感謝の気持ちを伝えます。また入社後の目標や抱負も述べます。

閉会の挨拶

閉会の挨拶は司会者が行います。出席者への感謝の言葉を述べ、閉会を宣言します。

記念写真の撮影

入社式の後は、エントランスホールや会社のエンブレムが飾られた場所で記念撮影を行います。記念撮影は、新しい仲間を迎え入れた記録を残すイベントごとです。

入社式の写真は、会社のウェブサイトやSNS、社内報などに掲載され、企業の文化や活気を外部にアピールする素材として役立ちます。写真は、プリントアウトまたはデジタルデータとして、後日新入社員に記念品として配ります。

懇親会

懇談会は、新入社員が会社に早く馴染み、仲間意識を高めるための大切なイベントです。入社式の後に行われることが多く、リラックスした雰囲気のなかで既存社員や経営陣と交流を深められます。

会場では、飲み物や軽食を提供することが一般的です。社長や経営陣からの激励やこれまでの失敗談など、真面目な話やフランクな話を会話に取り入れることで、緊張感を和らげます。

また、仕事に対する姿勢や今後の期待など、熱い思いを共有することで、新入社員のモチベーションを高められます。自己紹介や先輩社員からのアドバイスなど、チームが一体となれるような交流をはかりましょう。

入社式までの準備は何する?

入社式を成功させるためには、入念な準備が欠かせません。入社式までにするべきことを以下で紹介します。

日程の調整

入社式までには、会場の予約や案内文の作成など、しなければならないことが山積みとなっています。まずは、速やかに式の日程を決定し、関係者全員に通知しましょう。リハーサルを行う場合は、そのスケジュールも考慮する必要があります。

また、配布物や記念品も準備しておく必要があります。いつまでに何を行うかをひと目で確認するためにも、予定表を作成しましょう。

会場の予約

入社式が会場の繁忙期と重なると、予約が取りにくくなります。希望する日程やニーズに合った会場をおさえるためにも、早めの予約を心がけましょう。早い段階で予約を行うことで、運営会社の担当者と連絡を密にでき、こちらの要望に柔軟に対応してもらえる場合もあります。

また、会場を選ぶ際は、部屋に必要な設備がそろっているかを確認しておきましょう。ホワイトボードやプロジェクター、椅子やテーブルなどの設備が備え付けられているか、必要に応じてレンタルできるかを確認します。

プログラム・進行表の作成

入社式のプログラムと進行表を作成することで、各関係者の役割や全体の流れが明確になります。プログラムの時間配分を考え、詳細な進行表を作成しましょう。

進行表が完成したら、社長、役員、既存社員、新人社員などの関係者全員で共有します。開始時間や終了時間、プログラム内容などを含めると、当日の流れを把握しやすくなります。

スピーチや挨拶の依頼

挨拶文の作成に時間がかかる可能性を考慮して、スピーチや挨拶を担当してほしい方に事前に依頼しておきます。スピーチの長さや内容の方向性、伝えたいメッセージや重要なポイントについて説明することで、相手も文章を考えやすくなります。

内容がかぶらないように一度挨拶文を提出してもらう、カンペを作成しておくなど、必要に応じて対応するようにしましょう。

懇親会の準備

入社式の緊張感を和らげ、新入社員が社内に早く溶け込めるよう、懇談会の準備を整えます。参加者数と予算に応じて会場を決め、料理やドリンクの手配を行います。リラックスして交流できるような会場を選ぶとよいでしょう。

また、懇談会を入社式後に開催する場合、会場の立地も重要なポイントです。入社式から懇談会の会場が近いと移動の負担が少なく、参加者にとっても便利です。

案内状の送付

新入社員に入社式の案内状を、郵送または電子メールで送付します。日程や開催場所、当日に必要な持ち物などの情報を記載しましょう。

貸し会議室やイベントホールを利用する場合は、会場名と住所をくわしく記載し、地図や最寄り駅からのアクセス方法もそえると、当日迷って遅刻する社員を減らせます。

当日のドレスコードは、具体的に記載することが大切です。フォーマルとだけ書くのではなく「ネクタイとジャケット着用」「マニキュア不可」など、具体的な指示を記載すると、新入社員が装いに迷うことなく準備できます。

リハーサル

式典をスムーズに進行させるためにも、当日までに何度かリハーサルを行いましょう。リハーサルを繰り返すことで、改善点が分かり、式典をよりよいものにできます。

当日になりマイクのスイッチが切れた、プロジェクターが動かなかったなど、予期せぬトラブルを防ぐことにもつながります。

入社式までの準備は、日程調整や会場の予約などさまざまな業務が発生し、業務負担が課題となる場合があります。FUKURACIAでは、イベント運営伴走支援サービスを提供しています。イベントのプロが企画から手配、運営まで、全てをサポートします。イベントの実施を検討している方は、ぜひご相談ください。

オンライン入社式

オンライン入社式は、ビデオ会議システムを活用し、インターネットをつうじてコミュニケーションを取る新しいスタイルの入社式です。新型コロナウイルスの影響により、多くの企業が対面でのイベントを控えたため、オンラインイベントが急速に普及しました。

オンライン入社式もそのひとつとして注目を集めています。

オンライン入社式のメリット

オンライン入社式の最大のメリットは、離れた場所にいてもインターネットをかいしてコミュニケーションが取れることです。場所に縛られることなく、自宅からでも気軽に参加できます。

また、オンライン入社式を開催する場合は、会場をレンタルする必要がありません。会場のレンタル費用や交通費がかからないため、入社式にかかるコストを削減でき、移動の手間も省けます。

さらにオンライン入社式が選ばれる理由のひとつに、ビデオ会議ツールの多くは、パソコンやスマートフォンなど、さまざまなデバイスから利用できることが挙げられます。新人社員がパソコンを持っていない場合でも、わざわざ会社が貸与する必要がありません。

手持ちのデバイスを使って参加できるため、準備の手間も大幅に軽減されます。

オンライン入社式のデメリット

インターネット環境が安定していなければ、画面のフリーズやノイズの発生、映像の遅延などの問題が発生するリスクがあります。結果として、企業側は挨拶やスピーチのタイミングをつかみにくく、参加者の集中力を削いでしまいます。

参加者に伝えたいメッセージが伝わらないまま、式が終了してしまう可能性は否めません。必要に応じて、通信速度が速いポケットWi-Fiを貸与する、アップロードやダウンロードなどの通信環境を確認しておくなど対策を行いましょう。

オンライン入社式では、物理的に同じ空間を共有していないため、参加者の反応が分かりづらいのもデメリットです。司会者が適切に声掛けを行う、コメントや反応をリアルタイムで行うなどの方法を取り入れましょう。

まとめ

入社式は、新しいメンバーを企業に迎えるための大切な式典です。組織の一員として歓迎することで、社員同士の絆を深め、モチベーションを大いに高められます。

しかし、入社式を行う目的にそった式にしなければ、開催意図から離れた内容となり、新人社員にこちらの思いが伝わらなくなります。望んでいた効果が得られなくなる可能性があるでしょう。

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