従業員のエンゲージメントを向上させる施策7選!取り組むメリットは?

エンゲージメント とは、婚約や誓約などの意味を持つ英単語です。ビジネスでは職場と従業員の関係性や、自社と顧客との関係性を表す際に使用されます。エンゲージメントを向上させることでさまざまなメリットが享受できますが、具体的にどのような施策を行えばよいかわからない人も多いでしょう。

そこで、今回は従業員のエンゲージメントを向上させる施策について解説します。エンゲージメント向上に取り組む際の基本的な流れも一緒に紹介するため、従業員のエンゲージメントの向上に興味関心を持っている人は、ぜひ参考にしてください。

エンゲージメント向上の構成要素

従業員のエンゲージメントを向上させるにあたって、エンゲージメントの構成要素を理解する必要があります。具体的なエンゲージメント向上の構成要素は、以下のとおりです。ひとつずつ順番にチェックしていきましょう。

理解度

エンゲージメント向上の構成要素のひとつとして、理解度が挙げられます。エンゲージメントにおける理解度とは、従業員の会社の理念や方向性、目的に対する理解度です。

共有された会社の理念や方向性は、組織全体の行動や判断の基準となり、統一感を生みます。その結果、組織のアイデンティティが確立できれば、組織が現在何をしているかより明確になり、帰属意識も生まれるでしょう。

理解度を高めるためには、従業員が会社の理念を理解しているか、今後のビジョンや方向性を理解しているかなどがポイントになります。そのためには、今後の会社としての目標を定期的に従業員へ説明したり、目に見える場所に掲示しておいたりするのが有効です。

共感度

共感度も、エンゲージメント向上の構成要素のひとつです。エンゲージメントにおける共感度とは、組織や一緒に働く仲間に対して、帰属意識や誇り、愛社精神を持っているか否かを指します。

共感度が高いと、相手の気持ちや考えに寄り添った会話ができるため、社内でのコミュニケーションを円滑に行うことが可能です。その結果、上司や同僚、後輩と良好な関係を構築できます。また、発想力の向上や販売や投資の機会の増加など、共感度が高いことで得られる利点はさまざまです。

共感度を高めるためには、従業員との意見交換の時間を設け、企業理念や経営理念に込めた想いを伝える方法が有効でしょう。

行動意欲

行動意欲とは、その名のとおり従業員の仕事に対する意欲、モチベーションのことです。積極的に仕事へ取り組んでいるか、自発的に仕事へ取り組んでいるかなどが行動意欲の評価対象になります。

行動意欲が高まる利点はさまざまですが、まずは生産性の向上が挙げられるでしょう。受動的な姿勢で仕事をしていると、何のために仕事をしているのか理解できないため、モチベーションも作業効率も上がりません。

しかし、意欲的に仕事に取り組めば集中力が高まり、作業効率も向上します。行った業務の質に関しては、都度上司がチェックする必要がありますが、会社全体の業績に好影響を与える効果が期待できるでしょう。

行動意欲を高めるためには、社員一人ひとりの努力や成果に対する正当な評価と、仕事の質と報酬の連動が重要です。

エンゲージメントを向上させる施策7選

エンゲージメントを向上させるにあたって、具体的にどのような施策が有効なのかわからない人も多いでしょう。以下では、エンゲージメントを向上させる有効な施策7選を紹介します。エンゲージメントの向上に興味関心がある人は、ぜひ参考にしてください。

企業理念や目標を共有する

定期的な目標や理念の共有は、エンゲージメントを高める効果的な方法です。仕事において共通の理念や目標を設定することの重要性は高く、理念や目標を共有できていない人たちが集まっても、それはただの集団であって、チームではありません。

そのため、いざというときに仕事の方向性を見失ってしまい、会社の経営に深刻な悪影響を与える可能性もあるでしょう。しかし、会社の仲間が目標を正しく理解し共有することで、チームとして統一する力が増します。

チーム一丸となれば、助け合いの関係性やモチベーション向上へとつながりますし、生産性も向上するでしょう。

目標や理念の共有には、年度初めや新しいプロジェクトをスタートさせる時などに行われる「キックオフイベント」がおすすめです。この記事では、キックオフイベントについて解説しています。キックオフイベントの概要や目的、メリット、注意点も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

適切な人事評価を行う

適切な人事評価の仕組みも、エンゲージメントを高める効果が期待できます。人事評価が適切に行われることで、従業員は自身の努力や仕事の成果を認めてもらえたと感じ、仕事に対して前向きに取り組んでくれるようになるでしょう。

また、明確な評価基準が設定されていれば、従業員は適切な目標を設定し、正しい方向に努力をしてくれるようになります。

そして、適切な人事評価によって、従業員一人ひとりの能力や適性を見極め、それぞれの特性に合った部署に配置することが可能です。相性のよい部署に従業員を配置できれば、仕事の生産性のみならず従業員自身の会社に対する満足度も高まるため、離職率の低下も期待できるでしょう。

従業員が学べる環境を作る

従業員が学べる環境が整っているか否かも、重要なポイントです。学ぶ環境が整っていない場合、従業員の自発的に取り組む姿勢が育まれません。無理矢理何かに取り組ませても、自発的な行動ではないため効率も悪く、余計にモチベーションの低下を招くという悪循環に陥る可能性もあるでしょう。

しかし、学ぶ環境が整っていれば、自主的に仕事をしてくれる従業員が育ちますし、キャリア形成も明確になり、意欲的に仕事に取り組むようになるでしょう。従業員に学びの機会を提供するにあたって、研修の開催が有効です。

研修内容は会社側が一方的に決定するのではなく、現場の声に耳を傾けて従業員が抱えている課題や希望に合わせて決めると、開催の満足度も高まるでしょう。

ワークライフバランスを改善する

ライフワークバランスの改善にも、積極的に取り組みましょう。ライフワークバランスとは、読んで字のごとく仕事と生活の調和を意味します。

会社の立場からすれば、従業員には仕事に一生懸命取り組んでほしいと思うものです。しかし、プライベートを犠牲にした結果、従業員が心身の健康を害してしまえば、転職や退職を検討するきっかけになりかねません。仕事とプライベートの両立は、従業員の心身の安定だけでなく、仕事の作業効率の向上効果も期待できます。

従業員のライフワークバランスを整える方法はさまざまですが、残業時間の管理やストレスチェックの定期的な実施などがおすすめです。

上司のマネジメント力を向上させる

上司のマネジメント力も従業員のエンゲージメントに大きく関わっています。従業員のエンゲージメントが下がる原因のひとつが、職場の上司に対する満足度です。自分の意見に耳を傾けてくれない、関心を向けてくれないなど、上司に対する不満や不信感が原因で会社を去る人は、決して少なくありません。

上司のマネジメント力が上がれば、その部下である従業員の満足度、そしてエンゲージメントも高まるでしょう。管理職のマネジメント力を向上させる方法として、上司の育成プログラムの導入や研修の実施が有効です。

社内コミュニケーションを活性化させる

社内コミュニケーションの活性化も、従業員のエンゲージメントを高めるために欠かせない存在です。社内コミュニケーションは、情報共有の迅速化や従業員のストレス軽減など、多種多様な経営課題と密接に関わっています。社内コミュニケーションが活性化できれば、離職率の低下をはじめ、さまざまなメリットを会社にもたらすでしょう。

社内コミュニケーションを活性化させる方法として、定期的な面談や社内チャットツールの導入、ランチ会に代表される従業員同士の交流を深められる社内イベントの開催などが挙げられます。ただし、これらは誤った方法で実行されると従業員に対して強いストレスを抱えさせるため、事前にアンケートを行い従業員がどのようなコミュニケーションを求めているのか把握することが大切です。

社内イベントの開催を検討している場合は、イベントサポートサービスの利用も検討しましょう。FUKURACIAでは、イベントの企画から運営、サポートまで対応可能です。興味を持った人は、ぜひ一度公式サイトから問い合わせてください。

エンゲージメント向上が注目される背景

エンゲージメントの概念が生まれたのは1990年代 のアメリカですが、日本でも2000年以降 外資系企業を中心に注目されるようになりました。なぜ日本でもエンゲージメントに注目が集まったのか、その背景について解説します。

労働人口減少への備え

エンゲージメントが注目されるようになった背景として、労働人口減少に対する備えが挙げられます。少子高齢化が進んでいる日本ですが、2020年 以降は日本の総人口の減少が進んでおり、2010年代 まで10位だった世界の人口ランキングも、現在は12位 まで下がってしまいました。

当然ですが、人口が減少すれば比例して労働人口の割合も減少し、労働人口が減少すれば日本の経済活動も鈍化します。近年は外国人労働者の受け入れを進める方針を政府が打ち立てていますが、これまで日本人が請け負ってきた仕事すべてを代替できるとは限りません。

そのため、日本の会社は従業員エンゲージメントを高め、安定して人材を確保できる環境作りを進めています。

生産性の向上

生産性の向上に対する関心が高まったのも、エンゲージメントが注目されるようになった要因です。生産性とは、少ないインプットで、多くのアウトプットを出せるようになることや、その考え方を指します。

日本の生産性は、国際間で比較すると決して高いとはいえません。現在問題視されている労働人口の減少も相まって、今後さらに生産性が低下する可能性もあります。

しかし、生産性が向上すれば人手不足にもある程度対応できるだけでなく、コスト削減も可能になるため、人材や資金に余裕も生まれるでしょう。

離職の防止

エンゲージメントの考えは、従業員の離職防止にも役立ちます。以前は同じ会社で定年まで仕事をする終身雇用の考え方が一般的でしたが、近年は労働スタイルの自由化も相まって転職や退職をする従業員の数が増えました。

しかし、離職率が高まると採用と教育にコストをかけた人材や優秀な人材の流出が続き、事業継続が困難になります。事業の継続ができても、離職者が出た分の仕事をほかの従業員たちでカバーする必要があるため、業績や勤務状況が悪化する可能性も否定できません。

離職率を下げることに成功すれば、人材の採用にかかるコストを削減できるほか、企業イメージの向上にもつながるでしょう。

エンゲージメント向上によるメリット

エンゲージメントを高めることで、会社側はさまざまなメリットを享受できます。具体的なエンゲージメント向上の利点は、以下のとおりです。

従業員の生産性を向上させられる

エンゲージメントを高めることで得られるメリットとして、従業員の生産性の向上が挙げられます。生産性向上は業務効率化と混同されやすい存在ですが、業務効率化は生産性を高めるための手段のひとつです。

生産性を高めることで競争力が強化され、国内市場のみならず海外市場での活躍も期待できるようになります。また、生産性が向上すれば、ワークライフバランスが整い労働環境も整う可能性も高まるでしょう。

従業員の定着率が向上する

従業員の定着率の向上は、会社にとって重要なポイントです。定着率が低い会社は人材育成に常に高いコストを支払う必要があるため、人材育成が捗らず事業展開もスムーズに進みません。

定着率が高ければ、経験や知識、技術が蓄積された従業員が長く会社に残ってくれるため、人材確保や後進の育成につながります。また、定着率が高い会社の従業員はモチベーションが高く、前向きに仕事に取り組んでくれるため、生産性が高まり、結果的に業績も向上しやすいです。

社内の雰囲気がよくなる

社内の雰囲気がよくなるのも、エンゲージメントを高める利点です。社内の雰囲気が悪いと従業員が居心地の悪さを感じてしまい、生産性のみならず従業員の心身にも悪影響が出る可能性があります。

社内の雰囲気がよくなれば、コミュニケーションが活発化しオープンな議論や意見交換が行いやすくなるでしょう。意見の方向性に誤りがあったとしても、周囲の人のアドバイスやフィードバックを受けやすいため、早い段階で軌道修正することが可能です。

社内コミュニケーションには、社内運動会がおすすめです。こちらの記事では、社内運動会について解説しています。開催するメリットや種目も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

採用コストを削減できる

エンゲージメントを高めるメリットのひとつが、採用コストの削減です。そもそも採用コストとは、従業員を採用する際にかかる費用、広告費や人件費などを指します。

エンゲージメントが高まれば離職率が下がるため、これらの採用コストの削減が可能です。浮いた分の費用をほかの予算に回せば、事業展開もしやすくなるでしょう。

企業の業績アップに期待できる

エンゲージメントは、企業の業績とも関係があります。業績の向上は、すべての会社にとって大きな課題です。従業員のエンゲージメントが高まれば、生産性も一緒に高まるため、顧客満足度の向上にもつながります。

顧客満足度が高まれば、そこから新しいビジネスチャンスが生まれるため、さらに業績を上げられるでしょう。

エンゲージメント向上に取り組む際の流れ

エンゲージメントを高めるにあたって、どのようなプロセスで向上させるかは大切です。もし誤った方法でエンゲージメントの向上に取り組んでも、エンゲージメントは高まらず、逆に下がる可能性も否定できません。

エンゲージメントを高めたい場合は、以下のような流れで取り組むようにしましょう。

1.エンゲージメントの定義付け

まずは、エンゲージメントの定義付けを行いましょう。エンゲージメントの定義は、会社から与えられた目標を達成したいと感じている状態や、自社で働くことを知人や友人にすすめたいと感じている状態など、さまざまです。

この定義付けを最初にしっかり考えておかないと、どのような観点でエンゲージメントが高まっているのか判断すればよいかわかりません。最悪の場合、判断される側の従業員たちも会社に対して不信感を抱く可能性もあるでしょう。

2.現状の課題把握

定義付けが終わったら、自社が抱えている課題や問題点の洗い出しをしましょう。課題や問題点が明確になっていない状態では、適切な施策を考え、実行することはできません。

課題や問題点の洗い出しをする際は、エンゲージメントサーベイ、従業員のエンゲージメントを可視化するための調査を実施するのがおすすめです。

3.エンゲージメント施策の策定・実行

課題の把握ができたら、エンゲージメント施策の策定をし、実行しましょう。エンゲージメント施策は、できるだけ長期的な目線を持って取り組むことが大切です。

どれだけ革新的な施策を考え、実行しても、その効果がすぐに出るとは限りません。腰を据えて、じっくり取り組むつもりでいましょう。

4.施策の効果検証・改善

エンゲージメント施策は、実行して終わりではありません。一定期間が経過したら、施策の効果検証をしましょう。

想定よりもエンゲージメントの向上や改善が確認できなければ、施策内容を見直して、再検証します。トライアンドエラーを繰り返して、より精度の高いエンゲージメント施策を目指しましょう。

エンゲージメントを高めるためには、社員総会での事業報告や今後の会社の運営方針を共有・議論しましょう。こちらの記事では、社員総会について解説しています。目的や準備の流れも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

まとめ

従業員のエンゲージメントを向上させる施策や、施策に取り組むメリットについて取り上げてきました。労働人口の減少が進む昨今、生産性や従業員の定着率の向上は重要な問題です。しかし、エンゲージメントの向上ができれば、これらの問題の解決を図りつつ、業績を伸ばすことも可能でしょう。

エンゲージメントを高める方法はいくつかありますが、社内イベントの開催も効果的です。
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