議事録にはコツがある!議事録の基本

会議の議事録は貴重な共有資料となるため、議事録作成の役割は責任重大です。ただ単に会議の内容をメモするのではなく、いつ読んでも誰にとっても分かりやすく仕上げておく必要があります。そこで今回は、そんな議事録作成のためのコツ、議事録の基本についてお伝えしていきます。

議事録の目的

議事録作成の最も大きな目的は、「会議で議論された内容や決定事項などについて正確に記録して残すことで、会議参加者・関係者間で共有できるようにすること」です。
会議での決定事項をはじめ、重要なポイントをひとつの議事録で共有するので、参加者間での認識違いや把握漏れ防止にもつながります。

議事録のコツは7つ

議事録の大きな目的をふまえた上で、作成のコツに入っていきます。

1.事前にポイントを把握

スムーズな議事録作成のため、事前に会議のポイントを把握しておきます。何が目的で何を決めるべき会議なのか、または意見やアイデアを出し合う会議なのか明確にしておきましょう。
また、「会議名・日時・場所・参加者(氏名と役職、社外の場合は会社名も)・議題」などの基本項目は事前に記載。西暦や24時間表記など表記方法が分かれそうな項目に関しては、統一の表記を決めておきます。会議で出てきそうな専門用語も調べておくと、より安心です。

そして、“なんとなく”のレベルでかまいませんので、「議事録の構成を想定」しながら会議へ臨めれば、さらに質の高い議事録を目指せます。事前の想定をせずに参加した場合、とにかく全部を書き留めようとして会議の要点が埋もれてしまう可能性大。会議で話される内容を追いかけるのではなく、少し先の地点で待ち構えながら、重要なポイントを抽出していくようなイメージで臨みましょう。

2.要点を箇条書きに

議事録作成にあたり、常に意識しておきたいのは「見やすく・読みやすく・分かりやすく」。「いつ誰が読んでも短時間で把握できる」のが理想です。そのため、敬語の「ですます」は省き、「だ・である調」を用いて、「要点のみを箇条書き」にすることをおすすめします。敬称に関しても、「敬称略」と簡潔に記載して進めていきましょう。
会議後にまとめるときだけでなく、「会議中から頭の中は箇条書き」を心がけます。決定事項はもちろんですが、「決定に至るまでの賛成意見と反対意見」も箇条書きで整理しておきます。「誰が発言したのか」も必要です。
また、会話の中ではよく登場する「この・その・あの・どの」といった曖昧な「こそあど言葉」は、すべて具体的な言葉に置き換えて明確にし、誤解の発生を防ぎます。

3.決定事項・ペンディング事項・アクションプラン

会議での「決定事項」はもちろん、合意に至らず保留となった「ペンディング事項」、誰が何をいつまでに実行するのかといった「アクションプラン」の3つは、必ずしっかりと明記します。

4.配布の参考資料は添付

会議で配布された参考資料はコピーし、添付資料1、添付資料2というようにナンバリングを。議事録には配布資料の項目を追加で設け、「○○○については添付資料3 ○ページ○行目参照」などと記載しておくことで、より分かりやすく親切な議事録へレベルアップします。

5.スピード最優先

編集やデザインに時間をかけず、「提出までのスピード最優先」もポイントです。まとめるのに時間がかかったとしても、2時間以内には仕上げて提出することをおすすめします。内容は最初から完璧でなくてかまいません。上司に添削してもらいながら、精度を高めていきます。
会議参加者・関係者に議事録を送るタイミングの一般的な目安は24時間以内とされています。議事録は、会議に参加していない関係者へ情報共有を促す役割も担っているため、会議終了から提出までに時間差があると、業務にマイナスの影響を及ぼす可能性が出てきます。迅速な提出を心がけていきましょう。

6.美しさは読みやすさ

議事録を提出するまでのスピードは非常に重要ですが、慌ててまとめてしまい、読みにくくなっては意味がありません。編集やデザインに時間をかけるということではなく、シンプルでスマートな美しさを意識します。
「適度な余白があること」「改行が適切であること」「一文の長さができるだけ揃っていること」が美しさのポイントです。パッと見たときの“紙の上でのバランス”を大切にしましょう。

7.便利なアイテムを補足で活用

会議への持ち込み可能な場合に限りますが、ICレコーダーを用意しておくと安心です。ただ、ICレコーダーに頼りすぎると緊張感が失われる可能性もあり、逆に後から苦労することになりかねないので、あくまで“補足”で活用します。
基本的には自由度の高い手書きメモをメインにし、ICレコーダーなどサポート役のアイテムを上手く使いこなしていくのがおすすめ。手書きではなくパソコンに打ち込んでいく方法もありますが、“書く”という作業をした方が記憶にも残りやすいため、実際に議事録を作成するときにも記憶が整理されていてスムーズに進められるでしょう。

そして、蛍光ペンや3色ボールペンも上手く活用します。会議中に特に重要なポイントだと感じられた箇所を目立たせておくと、後から見ても一目で認識でき、議事録作成に効率的です。
議事録のフォーマットに関しては、インターネット上に公開されている議事録専用のフォーマットもあるので、特定のフォーマットが決まっていない場合はアレンジして活用もできます。
また、議事録作成をサポートしてくれる便利なソフトやアプリの活用もおすすめです。

議事録の必須項目まとめ

コツの中でもお伝えしていますが、一般的な議事録に必要な項目のまとめです。

必須項目

  • ・会議名
  • ・日時
  • ・場所
  • ・参加者(氏名と役職、社外の場合は会社名も)
  • ・議題(複数の場合は重要度や優先順位が高い議題から)
  • ・決定に至るまでの賛成意見と反対意見(発言した参加者名も明確に)
  • ・決定事項
  • ・アクションプラン(誰が何をいつまでに実行するのか)
  • ・ペンディング事項
  • ・次回の会議予定(未定の場合は未定と記載)

共有後に訂正が発生した場合は?

もしも会議参加者・関係者へ共有後に訂正が発生した場合はどうすればよいでしょうか。議事録作成の経験が少ないときは焦ってしまうかもしれませんが、基本的にはパソコンで修正して済むケースが大半です。
ただ、役所に提出するような取締役会の議事録の場合は、二重線を引いて訂正印を押し、余白部分に「○字抹消、○字加筆」と記載します。
このように、議事録によって適切な訂正方法は変わるので、まずは上司へ相談・確認することをおすすめします。

議事録の簡単サンプル!

サンプルとして、ボリューム少なめの簡単な議事録例をご紹介します。
実際の議事録の場合は、もっと濃い内容でボリュームも増えると予想されますが、基本的なフォーマットとしては下記のようなイメージで構築していくのがおすすめです。

会議名:男性向けギフトカタログ商品決定会議 議事録
日時:2020年◎月◎日(火)14:00〜16:00
場所:●●●貸会議室
参加者:●●部長、●●主任、●●広報室長、●●氏(株式会社○○)
議事録作成:●●
欠席者:●●課長(出張中)

■議題
男性向けギフトカタログ掲載商品について

■議論内容
・今号は時計の掲載数を増やしたい(●●主任)
・高価格帯ギフトの特集ページを設けてはどうか(●●広報室長)
・靴も掲載するならページを増やさなければならない(●●部長)
・男性に人気のスイーツ店と連携できないか(●●主任)

■決定事項
・時計の掲載数を30点に増やす
・高価格帯ギフトの特集ページを8ページ設ける

■アクションプラン
・◎月◎日(木)までに高価格帯ギフトの商品リストアップ(●●広報室長)
・◎月◎日(木)までにスイーツ店調査報告(●●主任)

■ペンディング事項
・全体のページ数
・スイーツ店との連携

■次回の会議予定
・◎月◎日(月)13:00〜15:00 ●●貸会議室

簡潔かつ詳細!強くて価値ある議事録を

「いつ誰が読んでも短時間で把握できる議事録」が理想的です。
“議事録=会議で話された内容すべてが記載されている”ではありません。むしろ、すべてをメモすることに注力するよりも、「重要なポイントを抽出する」ことに力を尽くします。
議事録作成は、コツを押さえることができれば、経験とともに確実に上達していくものです。また、議事録を仕上げることで仕事内容への理解が深まり、自分自身の成長にもつながっていきます。「見やすく・読みやすく・分かりやすく」を常に意識し、積極的に取り組んでいきましょう。

▼イベントの企画・運営代行/オンライン配信サービスならFUKURACIA▼
サービスについてのご案内<FUKURACIA公式ホームページ>